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1. カーボネイト製品に使用する工具
 

カーボネイト製品の分解・組立とメンテナンスには、以下の工具を使用します(※ 基本的に別途購入が必要)

回す工具
ドライバー、六角レンチ(サイズによりパッケージに付属)または六角ドライバー

打つ工具
ハンマー、ピンポンチ、台座


 専用工具
T-レンチ、スタブレンチ、ブッシングレンチ(必要な機種のパッケージに付属)、L9A2 セフティキー(パッケージに付属)


補助ツール
押しピン、書類クリップ

 

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2. 回す工具の基礎知識
 

2-1. ネジ(スクリュー)= 回す部品
工具を使用して回す部品です。使用する目的や部位によって数多くの種類と規格があります。

■ ナットの有無

ネジを取り付ける部位にナット(内側にネジ溝が予め切られているドーナツ状の部品)や、それに準ずる部品が「ある場合」と「ない場合」が存在します。

ナットとセットで使用する(ネジを締める)タイプのネジは繰り返し着脱することを前提に設計されていて、ネジの規格に合ったナットが必要となります。通常「ネジ」と言う場合、このタイプのネジを指すことが多いです。
ナットと対で使用するネジは、
正しく着脱している限り着脱を繰り返してもネジの固定強度は変わりません。必要に応じてネジロック剤を使用するのも、このタイプのネジです。


一方、ネジと対となるナットが無く樹脂や木材や金属に直接ねじ込むタイプのネジは「タップネジ」や「木ネジ」などと呼ばれ、一度取り付けたネジを緩めたり取り外したりすることを基本的に想定していません。
タップネジは、対象物に予め開いている下穴に最初にねじ込まれるネジ自体によって下穴の側面にネジ山が彫られます。頻繁に着脱を繰り返すとネジ山が摩耗して穴が拡がり、最終的にはネジが固定がされなくなるので注意が必要です。

※ トイガンではタップネジの使用頻度が低いので、以降の項目ではナットと対で使用するネジを前提にした解説となっています

 

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■ ネジの規格
ネジの規格は「軸径」と「軸長」と「ピッチ(ネジ山の頂点の間隔)」で規定され、「M数字 x 数字 P数字」で表示されます(※ タップネジの規格表示はこれと異なりますが割愛)。
 
(例)M3 x 30 P0.5
= 軸径3mm、軸長30mm、ピッチ0.5mmのネジ


事前に数値が分からない場合は、交換前のネジやネジを取り付ける部品(ナットなど)をお店に持って行って店員さんに聞いたり、現物でサイズを確認したりして選びます。ホームセンターなどでは、多様なネジ規格の試着確認台が設置されています。

 

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■ ネジの頭部の形
「取付部位」や「求められる締め付け強度」などの違いによって、採用されるネジの頭の形に違いがあります。皿型、ナベ型、トラス型、六角型、六角穴付きなどが代表的な頭部の形です。

 

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■ ネジの駆動部の型
駆動部とは、ネジの頭部中央に彫られている凹部分です。駆動部には、プラス型、マイナス型、六角型、トルクス型が一般的に広く採用されていて、対応する工具も入手しやすいです。また、駆動部の型が同じでもネジのサイズが異なれば基本的に駆動部のサイズも異なり、対応するサイズの工具が必要となります。

トイガン(ガスガン)においては、マガジンのガス放出バルブやガス注入バルブなどもネジの一種ですが、その駆動部は特殊な型なので、回すためには専用工具が必要です。

 

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2-2. 回す工具の選び方
■ 工具の先端のサイズ
マイナス型ネジにはマイナスドライバーを、プラス型ネジにはプラスドライバーをというようにネジの駆動部の型に合った工具を使用することは当然ですが、サイズが一致しているか?に注意が必要です。

ネジの駆動部の型に合っていてもサイズが合っていない工具でネジを回すと、ネジの駆動部が削れて工具の先端が駆動部に引っ掛からなくます(※ 所謂「ネジ舐め」)。

ネジ舐めを起こすと、ネジを締めることも緩めることもできなくなり、最悪の場合、そのネジが取り付けられている部品群や製品全部を交換する事態になります。

 

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■ 工具の軸の長さ
ドライバーなど工具の軸の長さは、ネジを回す力に関係しません。不必要に軸の長い工具を使うと、作業中に軸がブレて工具の先端がネジの駆動部から滑ってネジ舐めの原因となります。軸の長い工具が必要となる場合は「穴や筒の中にあるネジを回す」など、工具からネジまでの間に障害物がある場合です。

 

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■ 持ち手のサイズ
工具の回転軸から持ち手の端までの距離(回転半径)がネジを回す力に影響します。

具体的に説明すると、
手で加える力が同じでも「ドライバーは持ち手が太い方が、より大きな力」でネジを回すことができます。同様に「L字型の六角レンチは長い方の [辺] を持ち手に使った時の方が、より大きな力」で回すことができます。
これはドライバーやレンチの持ち手が「力点」に、工具の軸が「作用点」になって【テコの原理】が働くからです。

次の項「トルク」でさらに詳しく説明します。

 

2-3. トルク(回す力)
トルクとは「(ネジなどを)回す力の強さ」を表す専門用語です。難しい話は抜きにしてトイガンのメンテナンスに必要な部分に限定すると、「工具の持ち手の太さや長さ」と「手で加える力」がトルクに影響するという点を理解してください。

簡単な式にすると、


トルク = 持ち手の太さ・長さ x 手の力

となります。より正確に表すと、

トルク = 工具の回転軸~手で力を加える(持ち手の)位置までの距離 x 手の力

となります。

たとえば、あるネジを締める(緩める)ために必要なトルクを【10】として、「持ち手の太さが【5】のドライバーL」と「持ち手の太さが【2】のドライバーS」があるとします。それぞれのドライバーを使用する場合に必要となる手の力は、

ドライバーLの場合
5(持ち手の太さ)x  2(手の力) = 10

ドライバーSの場合
2(持ち手の太さ)x  5(手の力) = 10

ふたつの式を見れば、
工具の持ち手が太く(長く)なるほど、手で加える力は少なくて済み楽に作業ができることが分かります。同時に、持ち手の太い(長い)工具を使って力加減を誤ると、意図しない大きなトルクが発生するということを示唆してます(※ 次の式を参照)

ドライバーLをドライバーSと同じ力で回す
5(持ち手の太さ)x  5(手の力)= 25


これらは簡略化した式ですが、知っておけば、適切な工具を使用して必要最低限の手の力で楽に作業ができるようになります。何も考えすにガンガンと強い力で工具を回しても、疲れるばかりか、超過トルクによって「ネジ舐め」「部品の破損」を招きます。

 

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​<関連ページ>
➤ Carbon8製品で「トルク」に注意する部位(ページ準備中)

 

2-4. 工具とネジの接触面の摩擦抵抗(押す力)
トライバーを日本語で「ネジ回し」と言いますが、実はドライバーをはじめとして回す工具を使う時、「回す力」より「押す力」が遥かに重要になります。「押す力」とは、工具(の先端)をネジ(の駆動部)に押しつける力で、ネジに対して垂直方向に加える力です。

「押す力」によって工具とネジの接触面(駆動部)に十分な摩擦抵抗を作り出すことで、工具はネジを常にしっかりと掴み確実にネジを回すことができます。回すことばかりに気を取られていると工具の先端がネジの駆動部から滑って、ネジ舐めや工具先端の変形が起きやすくなります。特に、ネジが固くて強いトルクが必要な時(締め終わる時や緩めはじめる時など)は、押す力を常に意識して、じわ~っとゆっくりと回します。

​ちなみに、頭部が「六角型」のネジや、駆動部が「六角型」「トルクス型」のネジは、工具の先端がネジの駆動部から滑りにくい形状になっています。そのため、これらのネジは他の型の駆動部を持つネジに比べて「押す力」を意識する必要が少なく「回す力」に集中して作業ができるので、強い締め付け強度が求められる部位や指定された締め付け強度で固定する必要がある部位に使用されます。日常生活では、自動車やバイクなどの乗り物、橋やビルなどの建造物には必ず採用され、Carbon8製品ではCO2カートリッジをマガジンに取り付ける際のボトムスクリューなどの部位に使われています。

 

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2-5. 締めはじめ(ネジ山舐めの防止)
ネジを取り付ける時、最初から最後まで同じ手の力で回すことはしません。締めはじめから速く回そうとしたり強い力で回そうとしたりすることは禁物です。

締めはじめの段階では、工具の持ち手は「握るというより、指で持つ」程度で十分です(前項で解説した「押す力」は、この段階では不要です)。ネジがネジ穴に対してまっすぐに入っていれば、途中まで軽い力でクルクルとネジはネジ穴に入っていきます。もし、この段階で「引っ掛かり・抵抗感」を感じれば、すぐに回すことを止めて一度ネジを外してやり直します。

締めはじめの段階での「抵抗感」は、ネジがネジ穴に対して斜めに入りかけているサインです。締めはじめの段階から工具の持ち手を強く握ると、この「抵抗感」を見逃す可能性があります。
もし「抵抗感」に気づかずに、ネジを回し続けるとネジ穴に切られているネジ溝が歪んだり破損したりして、 所謂「ネジ山舐め」が起こります。
 

<関連ページ>
​マガジンのボトムスクリューの取付と締め方(ページ準備中)
 


3. 打つ工具の基礎知識
 

3-1. ハンマーの種類
ハンマーは、釘を打つなど「限られた小さな範囲の対象物を打撃するための工具」で、振り下ろす力が頭部に集中して大きな打撃力が発生します。

頭部の素材とサイズに種類があり、打撃力に差があります。

頭部(対象物を打撃する部分)には、金属製と樹脂製(プラスチックやゴム)があります。頭部が鋼鉄製の金属製のものは「金属ハンマー(メタルハンマー)」、プラスチック製の頭部のものは「プラスチックハンマー(プラハン)」と呼びます。

エアガンの分解・組立では、製品に組まれているピンを「抜く・打ち込む」、手で押しても引いても取れない(入らない)固い部品・連結部を「叩いて外す(入れる)」などの用途に使います。

 

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3-2. ハンマーの選び方と打撃力
■ サイズと頭部の素材
ハンマーのサイズが同じでも頭部の素材が固くなれば打撃力は大きくなります。樹脂製の頭部のハンマーは、打撃面(点)に発生する力のうち頭部に跳ね返って吸収される割合が多いので、打撃対象に加わる力は金属ハンマーに比べて弱くなります。


同様に、頭部が同じ素材でもハンマー全体のサイズが大きくなれば打撃力が大きくなります。サイズが大きくなると「重量が増すこと」と「ハンマーを振り下ろす持ち手の回転半径が大きくなって【テコの原理】がより大きく働くこと」の2つの理由で打撃力が増します。

したがって、頭部が金属製でサイズが大きくなるほど、より大きな打撃力が発生します。


■ 使い分け
ハンマーは「大は小を兼ねません」。ハンマーの使い分けには「過ぎたるは及ばざるより悪し」という考え方が大切です。

作業内容に見合った妥当な打撃力を適切な位置に加えることが、ハンマーを使う時のポイントです。

無目的に大きいハンマーや金属ハンマーを使用すると、「小さい部位・部品を叩きにくく、別の部分を叩いてしまう」「力加減(打撃力の調整)が難しくて対象物を破損させる」「指を叩いてケガをする」などの望ましくないことが起こります。

また、トイガンの分解・組立の際に金属ハンマーを使用して部品を直接叩くと、高確率で部品が損傷(傷・凹み・歪み)します。補助具や樹脂製ブロックなどを介して間接的に対象物を叩いたり、部位によってプラスチックハンマーを使ったりします。


■ 握る位置による打撃力の調整
ハンマーの持ち手の握る位置を変えることで、打撃力が調整できます。頭部から離れた位置を持ってハンマーを振ると打撃力は強く、頭部に近い位置を持って振ると打撃力は弱くなります。これは振り下ろす回転半径が変化することで【テコの原理】が働くからです。

​場合によっては、ハンマーの頭部を握り込むように持って打撃力を最小にして使います。

 

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3-3. ハンマーの補助具
■ 作業台と固定具

ハンマーで何かを打つ時に重要な点は、ハンマーの打撃力が適切であることだけでなく、対象物が動かないようにしっかりと固定することです。対象物が不安定だと「ハンマーで打つ時に位置がズレて作業が上手くできない」「対象物や作業台が破損する」などの結果になります。

まずは、安定した平たい台(机)の上で作業をすることが重要です。作業台の上に傷防止のためのラバーマットなどを敷き、さらにその上に木の板などの平たく固いプレートを置いて、その上でハンマー作業をすることをお勧めします。


画像は弊社でも利用しているDIYの作業プレートで、木の板にマグネットプレートを貼り付けています。マグネットプレートと木の絶妙な硬さがハンマーの打撃力を適度に受け止めるので、正確な作業ができます。ピンを抜く時にはマグネットプレートと木の板の段差を活用でき、また、外したピンやネジなどがマグネットに着くので部品の紛失防止にもなります。トイガン分解用にデザインされた専用固定台座を購入するのは必要性を感じてきた時で大丈夫です。

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​<レシピ>
DIY作業プレート&お手軽作業マット(ページ準備中)

■ ピンポンチ
トイガンの分解・組立の際には、ハンマーで何かの部品を直接叩くことよりも「穴からピンを抜く・穴にピンを打ち込む」機会が断然多くなります。特にハンドガンに使用されるピンは直径1mmから数ミリのものばかりで、ハンマーでピンを直接叩こうとすると、ピンの変形、ピンの穴の破損、誤って指を叩く・・・など、ピンを上手く打つことができません。

そこで「ピンポンチ」という補助具を使用します。軸が筒状の鋼鉄で出来ていて、ピンポンチを介してピンだけを文字通りピンポイントで打ちます。打ちたいピンのサイズに合わせて、ピンポンチの軸のサイズ(直径)を選びます。

 

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​<実践編>
ピンの抜き方・打ち込み方(ページ準備中)

 

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