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- CO2マガジンの種類と危険度の違い -

弊社がご提案するCO2ガスガンは、過去からもこれからもSTGAの認証を得た製品となりますが、認証済であることを安全を約束するフリーパスのように喧伝する事を自戒すると共に、CO2ボンベとそのガス圧が本質的に危険を孕むものであることを前提として、一人でも多くの方に安全にお使いいただく為の方法について情報発信を続けて参ります。

<以下は、CO2ガスガンとCO2ボンベの危険性について、過去2度に渡ってミリタリーブログやツイッターの弊社アカウントでご紹介した記事をまとめ直したものです>

【CO2ボンベは危険?】

「安定した動作」 「気温の変化を受けにくい」 「リコイルショックの楽しさ」

などなど…

CO2ガスガンには新しい魅力があることは確かなのですが、使用方法を誤ると「かなり危険」です。 エアガンに使用するCO2ボンベ(12gサイズボンベ)は全長約8cm程度と小型ですが、「高圧ガス」であることには変わりありません。無駄に不安を煽る意図はないのですが、「危険である」ということを出発点にすることが「安全に利用する」ための正しい知識と行動を身に付ける第一歩になると考えています。

当然ですが、CO2ガスガンはCO2ボンベの存在が大前提となります。

このページでは、大前提であるCO2ボンベとそれを利用したエアソフトガンの「危険な可能性」をご紹介します。

CO2ボンベは、以前よりエアガンにだけではなく日用品や商用工業用にと様々に利用されていますが、どれほど高い品質管理基準で製造されていても、取り扱い方を誤ると「事故」や「怪我」に繋がる危険性を孕むものであることをまず理解する必要があります。

CO2ボンベには二酸化炭素が液化した状態で封入されてあり、ボンベ先端部に穴が開くことで液化している二酸化炭素が気体となって放出される仕組みとなっています。

二酸化炭素は液体から気体に変化する時、周囲の熱を奪いながら一気にその体積が大きく膨張するのですが、エアガンの場合、この物理的現象をエネルギー(圧力)として利用しています。その圧力は非常に強力であることは説明不要でしょう。

【CO2マガジンの基本構造】

ここでCO2ガスガンのマガジンの仕組みをご覧ください。

カーボネイト製品を含み一般的なCO2マガジンはボンベをマガジン内に設置し、底部からスクリュー等で締め込みボンベ先端部に穴を開けることで、ボンベ内の液化ガスが気体になってボンベ先端より放出される仕組みです。


マガジンにはボンベ先端に穴を開ける部分が備わっており、カーボネイト製品では「マガジンスタブ【スタブ=針】」と呼んでいます。スタブパーツは、「気密を保つ樹脂パーツ」と「針の部分」と「それらが組み込まれた器の部分」で構成されています。

このスタブ部分にCO2ボンベの先端部が押し付けられ一定以上の力が加わるとボンベの先端に穴が開きます。



【ボンベミサイルが起きる原因】

CO2ボンベをマガジンから取り外す時に、ボンベ自体が「弾」のようになりマガジンから不意に飛んでいく可能性があります。なぜこのようなことが起こるのか?

1. ボンベ先端部のサイズ誤差 このような経験はありませんか?

- ボンベ交換時、ボンベ先端部がマガジンスタブ部分に噛み込んでしまっていて外しにくかった - これ、非常に危ない状況です。 正常な状態であれば、マガジン底部にあるボンベ固定スクリューを僅かでも緩めれば、ボンベ先端部はマガジンスタブ部分から離れ、ボンベにガスが残っていてもボンベ先端部とマガジンスタブ部分の僅かな隙間から残留ガスが抜け出ます。

ボンベ自体はまだ固定スクリューとマガジン本体に挟まれて取り出せないので、万が一、大量の残留ガスが噴出しても、ボンベ自体がガス圧で飛び出すということはありません(吹き出るガスは超低温なのでご注意!)。 しかし、「ボンベ先端が噛み込んでしまい抜けにくい状態」の場合は話が違います。 ボンベ先端部が噛み込んでいる場合、マガジン底部の固定スクリューを緩めてもボンベはスタブ部分からすぐには離れません。ボンベ固定スクリューをマガジンから完全に外しても、ボンベ先端部が噛み込んだままの場合もあります。

- このような時、事前にボンベ内のガス残量確認をしていましたか? -

ガス残量確認をしていなかったのなら、もしかすると、ボンベそのものが「弾」のようになり、マガジンから発射されていたかも知れません。 なぜ、このようなことが起こるのか?

それはCO2ボンベ先端部の直径」や「マガジンのスタブパーツのサイズ」にメーカー間で若干の差や個体間の製造誤差があるからです(ボンベのサイズについては世界共通規格が存在します)。 下の画像のように、ボンベ先端部(ノズル部分)はマガジンスタブの器の部分の外縁とほぼ近い同径であることが一般的です。 スタブ部分の外縁に対してボンベ先端の直径が少し小さい場合は、マガジン底部の固定スクリューを僅かでも緩めるとボンベ先端部はスタブ部分からすぐに離れて隙間ができます。

しかし、ボンベ先端部がスタブ外縁部の直径より僅かに大きいという組み合わせが起きた場合は、ボンベ先端部が無理やりネジ込まれるようにしてスタブ部分に固定されるので「噛み込み」が起こります。

もし、残留ガスがある状態で「噛み込み」が起こっていることに気づかずに、マガジン底部のボンベ固定スクリューを一気に緩めたりマガジンから取り外したりした後にボンベの噛み込み状態が何かのキッカケで外れると。。。


その瞬間にボンベからガスが一気に放出され、固定されるものを失ったボンベが制御不能な状態で「暴れる」かもしれません。

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2. 閉塞構造型CO2マガジンで高まるリスク このあとご紹介するように、CO2マガジンの中にはマガジンの外側からボンベが全く見えないものがあり、日本国内でも流通している現状があります。 このような構造のマガジン(閉塞構造型マガジン)は、「ボンベ固定スクリューの装着穴=ボンベを出し入れする穴」であることが多く、固定スクリューを緩めるだけではボンベの残留ガスが外に逃げることがありません。

この為、残留ガスの有無はボンベ固定スクリューがマガジン底部から外れるまで気づかないことが多く、もし残留ガスがあった場合は、ガス放出と同時にそのガス放出の勢いによってCO2ボンベそのものがマガジンから飛び出してくる可能性があります。

加えて、「ボンベ先端サイズの誤差」によってボンベ先端部がスタブ部分に「噛み込んで」いる場合、いつ噛み込みが外れるか分からず、更に予測不可能なリスクが増します。

【CO2マガジンの種類(構造別)】

CO2マガジンの基幹構造には大別して2種類があります。 ひとつは「開放構造型マガジン」

マガジンの側面に孔が開いていて、収納されているCO2ボンベが装着後も外側から見える構造のモノ


もうひとつは「閉塞構造型マガジン」

CO2ボンベの装着後、マガジンの外側からCO2ボンベが全く見えなくなる構造のモノ



開放構造型マガジンでは、ボンベ固定スクリューの装着穴は単にスクリューの取り付けのためのネジ穴であり、ボンベに残留ガスがある状態でスクリューを緩めると側面の孔から残留ガスが確実に抜け出ます。



一方、閉塞構造型マガジンでは、ボンベ固定スクリューの装着穴はスクリューの取り付けのためのネジ穴としての役割だけでなく、(動作時のガス放出ルートを除くと)マガジン内部と外側を繋ぐ唯一の穴であるので、ボンベ固定用スクリューがマガジンから外れるまで残留ガスが抜けません。

この構造の差が、所謂「ボンベミサイル」と言われる「残留ガスの放出の圧力によって、ボンベそのものがマガジンから勢いよく飛び出す」可能性を生みます。​



【ボンベミサイルの防止策 -安全な取り外し方-】

装着中のボンベのかなりの部分がマガジンの外側から見える状態の開放構造型マガジンであれば、「ボンベ自体が飛び出す」リスクがかなり低くなるのは確かです。 ボンベ固定スクリューのネジ穴以外に「マガジン内のボンベ収納スペースとマガジン外側をつなぐ孔がある事」によって、ボンベ固定スクリューを緩めた際に仮にガスがボンベに残っていても速やかに残留ガスはマガジン外側に逃げるため、「噴射するガスによりボンベ自体が飛び出る」ということなくボンベを安全に取り外すことができます。

しかし、マガジン構造の違いに関わらず、より確実に安全にボンベを取り外すためには、以下の操作を実施することをお勧めします。

1. ガス残量の確認 ボンベの固定スクリューを緩める前に、マガジンに組み込まれている放出バルブの中央部分(ニップル)を指で押してみてください。

ボンベに十分なガスがまだある場合は、ガスの圧力が保たれているのでこのニップル部分を指でなかなか押せません。ボンベ内のガスが完全に無い場合やガス残量がごく僅かな場合は、ニップル部分を指で押すと動きます。


(注) 残留ガスが吹き出る可能性があるので、必ずグローブなど手を保護するものを着用のこと


2. 固定スクリューの緩め方 ボンベ取り外し時に固定スクリューを緩める際は、最初ゆっくり少しだけ緩めてみて、スクリューとマガジンによってボンベが挟まれている状態を保ったまま、ボンベ先端部に「噛み込みが無いことを確認」します。噛み込みが無ければ、この時点で残留ガスはマガジンの外に完全に逃げます(但し、ガス逃がし孔がマガジン側面に無い閉塞構造型マガジンは例外)。そして、ガスが抜け切ったことを確認してからボンベを取り外せるところまで固定スクリューを緩めます。

閉塞構造型のCO2マガジンの場合は、放出バルブを押す等をしてマガジンの残留ガス確認を確実に行い、ボンベ取り出しの際は人や物がない安全な方向を向け、万が一に備えて当て布などをした状態で、ボンベ固定スクリューを取り外すことが最善です。 しかし、以下にご紹介する別の危険については、残念ながら決定的な対処法がありません。

【マガジン本体の破裂】

表題の事態が実際に起こり得ます。

ボンベがマガジンから飛び出すのではなく、マガジンそのものが破断・破裂し、時には割れた破片が飛散します。

このページの内容を書くキッカケをいただいたユーザー様やフィールドスタッフ様の中に、この危険な事態を実際に目の前で見た・ご自身が経験したという方がいらっしゃいました。

再現してお見せすることが難しいのですが、閉塞構造型のCO2マガジンの構造を考えると、なぜ破断・破裂するか?が理解できます。 閉塞構造型のCO2マガジンは、マガジン本体の「お腹の中」にガスが溜まる構造をしています。

ボンベの収納スペースにボンベを入れるとピッタリ隙が無くなるのではなく、収納されたボンベの周囲とマガジンの内壁の間に必ず一定のスペースができるように作られています。 その理由は2つ。 A. ひとつは単純にボンベの出し入れに余裕を持たせる為 B. もうひとつはスペースを「気化スペースとして積極的に利用することを目的としている」場合

既述の通り、閉塞構造型CO2マガジンでは「ボンベ固定スクリューを取り付ける穴」=「ガスが外に出ることのできる唯一の孔」です。このため、スクリューが取り付けられている限り、閉塞構造型マガジンにおいては、動作時のガス放出ルート以外にガスの出口(逃げ口)がありません。

コレの何がマズいのか? ボンベ収納スペースに充満するガスは、マガジンの内側からマガジンを押し広げる力を加えます。この点についてはフロンガス式のマガジンでも同じなのですが、問題は「ガス圧」の差です。CO2ガスの圧力の方が遥かに強力で、そのガス圧は金属製マガジンを疲労させ変形させるだけの力があります。 金属を曲げたり変形させたりした経験がある方は実感があると思いますが、金属は緊張と弛緩を繰り返すと最も力の加わり変形する部分がやがて折れたり割れたりします。マガジン内で繰り返されるガスの充満状態もこれと同じ結果を生みます。繰り返されるCO2ガスの充満状態はマガジン本体の破裂・破断のカウントダウンとも言えます。 最も問題となるのは、この金属疲労によるマガジン本体の「破裂・破断がいつ起きるか?」が予見しにくい点です。 よく観察していれば、マガジンが新品時に比べ僅かに変形していたり小さな亀裂が走っていたりするのを発見できるかも知れません。それらは、破裂や破断の兆しである事には違いないのですが見落とす可能性も高く、また、マガジンの外側にそれらの予兆がハッキリと見えない場合もあるようです。 実際にマガジン破裂を経験された方にお聞きしたところ、 「ある日突然、保管していたマガジンが破裂した」 「ゲーム中にいきなりマガジンが裂けた」 等、やはり「それ」が起こるまで気づかなかったとおっしゃっていました。

【破裂リスクの最も高いマガジン】

既出の閉塞構造型マガジンは更に2種類に分かれます。

その2種類ある閉塞構造型マガジンのうち「ボンベ収納スペース=気化スペース」として設計されているマガジンが、マガジン本体の破裂・破断の危険性がもっとも高くなります。 閉塞構造型マガジンでも、ボンベ収納スペースが気化スペースとなるように設計されていないマガジンにおいては、ボンベ装着時に僅かに漏れるガスとボンベ取り外し時の残留ガスが収納スペースに溜まるだけなので、ボンベの素早い取り付けと取り外し操作をしている限り、多量のガスが収納スペースに溜まる状態にはなりません。

しかし、「ボンベ収納スペース=気化スペース」として設計されているマガジンは、ボンベ固定スクリューを完全に締めた後もマガジン内部にガスの放出が続きます。ボンベ装着完了後にもガスの放出が継続される為、単位体積当たりの気圧が増大します。 「気体の圧縮がどれほど可能か?」を分かりやすくするために、理科の授業を思い出してみてください。 1気圧の空気が満量入った注射器の先を塞いでピストンを押していくと、かなり下までピストンを押し込みシリンダーの中の空気を圧縮することができます。大きな注射器があったとして強い力でピストンを押し込み続けると圧縮された空気の圧力がシリンダーの耐久度の限界を超え、やがてシリンダーが割れます。 あるいは、風船を想像してください。息を吹き込み続けると風船は膨らんでいき、やがて膨らむサイズに限界が来ます。でも、更にその後も息を吹き込み続けることができますよね?最後には、風船が破裂します。

「ボンベ収納スペース=気化スペース」として設計されているCO2マガジンは、注射器や風船と同じことが、CO2ボンベを装着した瞬間からマガジン内部で起こります。装着したボンベからガスが無限に放出され圧縮されていくわけではありませんが、かなりの高圧状態になるのは間違いありません。 金属は風船のよう大きくは伸長しないので見た目には分かりませんが、この状態が維持されるとマガジンの内側からマガジン本体素材の疲労や変形が進んでいきます。そして、ある時を境にガス圧に耐えられなくなり、マガジンの内壁の弱い部分(成形が均一でない部分や傷や歪みのある部分、ヒビなど)を起点にマガジン本体の破裂・破断が起こります。



【マガジン破裂・破断の予防策】

既述の通り、決定的な予防策・回避策は残念ながらご紹介できません。 事故を予防する為の策として、 「ボンベの装着前にマガジンに「予兆」が無いか毎回確認する」 「定期的にマガジンを新品に交換する」 などが挙げられますが、いつ破裂が起こるかが分からない事を考えると、どれも次善・次々善の策にとどまり確実な方法でありません。 このようなマガジン本体の破裂・破断のリスクを回避する一番の方法として、 「CO2ガスガン購入・入手を検討する場合は、事前にマガジン構造を中心に製品についてしっかりと調べたり店員さんに聞いたりして、自身がその製品を使用する環境を想定して、万が一の場合、周囲の人や自分自身に怪我を負わす可能性はないかをシュミレーションしてから購入/入手の決定すること」 を強くお勧めします。 ******************* CO2ガスガンの企画販売元として製品紹介に終始するだけでなく、多くの方にとってまだまだ未知であるCO2とそれをパワーソースとするエアガンについてのリスク等の基本的情報の発信を継続したいと思います。


「何が怖いのか?」「何が危ないのか?」を明確に理解することで、「リスクを最小限にして安全に楽しむ方法」がちゃんとあることを知っていただきたく思っております。 ここでご提供する情報が全てではありませんが、今後、ユーザーの皆様や製品を取り扱う流通各社様・販売店様、ならびに製品が使用されるフィールド様やシューティングレンジ様など全ての関係者が意識的主体的な選択するための契機となり、重大な事故や事件なくCO2ガスガンの健全な発展の一助となることを願っています。


カーボネイト製品 企画販売元

株式会社ハッチ