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1. オイルの役割
■ 潤滑(滑らかな動作)
塗布した表面に形成される塗膜によって、摺動部(他の部品に接触して動く部分)の動作が滑らかになります。オイルのグレードや性能によって、潤滑力とその持続力が異なります。
■ 保湿(樹脂製・ゴム製パーツのケア)
樹脂製パーツやゴム製パーツは乾燥が進むと、本来の耐久度と性能が低下して部品寿命が短くなります。これらのパーツを適時適量のオイルで保湿することで性能を維持して部品を長持ちさせることができます。
■ チリの吸着
スライドとシャーシの間など互いの部品が接触しながら動作する摺動部から出る"削れカス"を吸着する効果が期待できます。削れカスを吸ったオイルは変色したり、粘度が高くなってドロッとしたりします。
■ 古い油を浮かす(クリーニング)
「油は油と混ざる」性質を利用して、古くなった油を浮かすことができます。オイルをスプレーした木綿の布や綿棒で拭き取ると古く汚れたオイルを効率よく除去できます。
(※注)パーツクリーナーという溶剤は強力な脱脂力(油分の除去力)がありますが、塗料・コーティング剤や樹脂素材への浸食性(剥がれる・溶ける・変色する)も高いため、まず先に目立たない部分などで試してからの利用をお勧めします。
■ 金属部品のサビ防止
製品の見えない部分に結露したり屋外の泥や水分が付着したままにしたりしておくと、金属パーツにサビが発生する恐れがあります。適時オイルアップしておくことで、水分を弾き金属パーツのサビを予防します。
2. 注意点
■ 浸食性・攻撃性
潤滑オイルを選ぶ際は「樹脂・ゴム・塗料への浸食性が無いこと」を確認しましょう。分からない場合は、お店の人に聞きましょう。
■ 付け過ぎ
潤滑オイルは適量以上をつけても効果は変わりません。目的の部位やパーツに付けたら布や綿棒で均一に伸ばして余分なオイルを拭き取って使うのが基本です。流れるほどの量が付いていると、無駄に砂塵などを吸い込んだり油分が付いてはいけない部位に飛散したりと、マイナスしかありません。
■ 定期的な除去と再塗布
「しっかり各部をオイルアップしたので、今後はしなくても大丈夫!」ということはありません。徐々に油分は飛んだり蒸発したりして効果が低下していきます。
また、オイルは砂塵や削れカスを吸着して汚れオイル自体も劣化していくので、放置しておくと思わぬ不具合の原因にもなります。オイルの効果を最大に保つ為にも、定期的に古いオイルの除去と新しいオイルの再塗布を実施する必要があります。
■ グリスについて
グリスはオイルと同じく「潤滑剤」に分類されますが、オイルは(粘度に差がありますが)いずれも液状であるのに対して、グリスはペースト状の半固形です。ガス式およびコッキング式ハンドガンのメンテナンスには基本的に向きません。
グリスは、エアガンおいては主に電動ガンのメカボックス内部のギアやピストン等の部品に用いられます。ペースト状である為に塗布した部分に長く留まり、「潤滑」と同時に「摩擦熱を吸収して抑える」「高速動作する部品から出る微細な削れカスを吸着してメカクラッシュを防止する」などの役割を果たします。
ペースト状であるグリスは「少量を薄く塗布する」ことに向いていません。グリスをガス式・コッキング式ハンドガンに対してオイルと同じ要領で使うと「付け過ぎ状態」になり、砂塵や摺動部から出る削れカスを必要以上に吸着してしまいます。その結果、グリスがすぐに汚れて不具合の原因となったり、汚れて劣化したグリスが飛散して他のパーツを変質・変色させたりという原因になります。
前提としてグリスをガス式・コッキング式ハンドガンに使用することはオススメはしませんが、もし手元にグリスしか無くてどうしても・・・という場合は、まずグリスを平たい筆などに付けて紙の上などで往復させ、見た目にグリスが殆ど無いくらいまでに減らしてから筆先で目的の部位を撫でるようにして使いましょう。
3. カボハチのオススメの潤滑オイル
数百円から数千円まで様々な潤滑オイルがあります。「値段が高い = 何らかの効果や性能が高い」ことは確かですが、闇雲に高価な潤滑オイルを選ぶ必要はありません。用途と目的、使用頻度などを考慮して自分に合った潤滑オイルを選んでください。
① ホムセンのシリコンスプレー by ホームセンター
ガンガン使える200円前後。摺動部や回転部、可動部に気軽にシュッとひと吹き、 ゴムパーツの湿潤メンテ(乾燥防止)、布に付けて樹脂パーツのクリーニングや保湿、など幅広い用途に対応します。潤滑効果の持続は比較的短め。また「油は油で浮く」作用を利用して、古い潤滑油が付着している部分に塗布 & 拭き取りでクリーニングもできます。
弊社の商品管理部では「古いオイルの除去・清掃」「ガスルートパッキンの保湿メンテ」「ゴムパーツや樹脂パーツの長期保管時の乾燥防止」「本体オーバーホール時にバラバラになった金属パーツの洗浄後の塗布(錆止め)」「本体の摺動部の日常的潤滑」に使用しています。
< カボハチ★インプレッション >
■ 潤滑力 ★★★☆☆(ふつう)
■ 潤滑持続 ★★★☆☆(ふつう)
■ 保湿用途 ★★★★★(超イイ)
■ コスパ ★★★★★(低コストの万能型)
② NEW ウェポンクイック by キャロムショット
エアガンやモデルガンの各部に適用可能な超ロングセラーのメンテナンスオイル。テフロン系の潤滑オイルでサラサラとした質感。少量で効果大かつ効果持続が長いです。トイガンショップのケミカル製品の棚には必ずと言っていいくらい置いてある事は、品質と確かな効果の証。「紫外線耐性が高い」「摩擦係数がとても低い」「温度による性能変化が少ない」などの製品特長は使えば分かります。
弊社の商品管理部では「経年劣化や酷使によって動作が渋くなった本体の摺動部や内部パーツの潤滑」に使用しています。
< カボハチ★インプレッション >
■ 潤滑力 ★★★★★(超イイ)
■ 潤滑持続 ★★★★★(超イイ)
■ 保湿用途 ★★★☆☆(弊社では用いません)
■ コスパ ★★★★☆(めっちゃイイ)
③ ベルハンマー by スズキ機工
各部に各一滴で絶大な潤滑効果 & 超長持続。部品同士が擦り合わされる度に部品表面の凸凹が埋まり均一な面の形成が進んでいきます。その潤滑力は動作を諦めていたトイガンが生き返ることもあるほど。お値段もご紹介している潤滑オイルの中で一番高いです。
弊社の商品管理部では「ギブアップ寸前の渋い動作の摺動部や内部パーツの潤滑」に使用しています。弊社での通称は「魔法の油」。
< カボハチ★インプレッション >
■ 潤滑力 ★★★★★★★★(超イイィィィィィィ)
■ 潤滑持続 ★★★★★★★★(超イイィィィィィィ)
■ 保湿用途 ☆☆☆☆☆(弊社では用いません)
■ コスパ ★★★☆☆(潤滑力と持続力は最&強!!)
【メンテナンスオイル-実践編】を編集中...
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